カナダ移民局-投資移民廃止

先月の話ですが、カナダ移民局が「投資移民制度」を廃止することを発表しました。

ICI News Release — Building a Fast and Flexible Immigration System

投資移民制度とは、$1,600,000カナダドル以上の資産を持つ人がカナダ国内の1つの州に対して5年間無利子で$800,000融資することで、カナダ政府が永住権を与えていた制度です。

政府は、裕福な移民が国内で事業を行って税収が増えると期待して投資移民、特に多くの中国人投資移民を受けて入れてきたのに、実際は、中国国内で稼いだ資産をカナダに移転し、高齢者や職のない一族をカナダに呼び寄せ、自身は市民権を得た後、再び中国に戻って中国内の事業を続けるというケースが多く、どれだけ投資移民を受け入れてもカナダの税収は上がらず(投資移民の納税額は他の移民たちよりも全然低いらしいです)、そのため政府は投資移民の受け入れを廃止することにしました。

私は、カナダ国内でも特に中国人投資移民の多いバンクーバーに住んでいます。ELSAに通っていた頃、クラスメートの半分以上が中国人で、そのほぼ全員が投資移民でした。男性は1人(10代の男の子。家族と一緒にカナダに移民してきた)のみで、その他は30~50代の主婦でした。

ELSAは新移民のための英語クラスなので、よく、「いつ&どうして移民してきたの?」という話をしたのですが、彼女たちによると、最初は家族全員でカナダに移民し、子供はカナダの学校に通い、旦那さんは中国の事業を続けるためにカナダと中国を常に行き来し、カナダの市民権が取れたら、完全に中国に戻って事業を続けるというケースがほとんどでした。彼女たちはよく、「来週、旦那がバンクーバーに“来る”の~」「そう?うちはもうすぐ中国に“帰る”のよ。また母子家庭だわ~」という会話をしていました。

一度、「中国とバンクーバー、家族バラバラで住むのは大変じゃない?みんなで一緒に中国で住むのはダメなの?」と聞いたことがあるのですが、

・中国政府は信用できない。もし国で何かあった時、すぐに中国を出てカナダに移住できるよう永住権(市民権)が必要。

・子供の教育には、中国の学校よりカナダの学校の方が良い(英語も学べられる)。

・でも、子供が大学を卒業したら、自分は中国の旦那の元に帰ろうかな。子供はここに残って就職するみたいだけど。

と話してくれました。

あと、うちのパートナーは今から16年前に(留学生として)カナダに来たのですが、来てすぐに通ったESLでできた友人の中に、中国&台湾から家族全員で移民してきた10代の男の子がたくさんいました。年月が経ち、彼らはESLを卒業し、進学先の大学を卒業し、就職し、彼らの家族全員が市民権を取れた頃、家族揃って母国に帰ってしまったそうです。

だから私も、「投資移民、移民したはいいものの、全然カナダに住んでない。意味ない」と思っていました。投資移民制度が廃止された後、新たに「よりカナダに貢献できる移民を受け入れるための新しい移民制度」が始まるそうですが、新しい制度が今度こそはちゃんと機能する(移民の受け入れによって国内経済が発展して税収が増える)といいなと思っています。

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